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HOME >  レントゲン >  レントゲン、見方の味方9: 腹部レントゲンを参考に、治療プランを組み立てよう ・ その4

レントゲン、見方の味方9: 腹部レントゲンを参考に、治療プランを組み立てよう ・ その4


このシリーズでは、脳梗塞後の80代男性、長期に渡ってベッド上 安静を続けてきた方の
便通管理を考えてきましたが、経管栄養投与中の大腸ガス・小腸ガスの貯留に対して

1)経管栄養を中止
2)点滴投与を開始して腸管安静を図る
3)経鼻胃管は留置してセンノシドの内服を継続。
4)大建中湯 5g 分2朝・夕食後、を開始しましたが効果不充分と考えて、前回は
5)大建中湯 1回2.5g 1日3回朝・昼・夕に増量
しました。

その数日後のレントゲンを示します。

あれ、何だか腸管ガスが増えているようですね。

経管栄養を再開し、更に大建中湯を増量しましたが、
あまり上手にコントロールできていなかったようです。

経管栄養再開後であり、便の性状は 軟便~泥状便を予想していましたが、
むしろ安定して普通便となっていました。

さて、大建中湯によって腸管の動きも改善し、聴診上も腸の動きはいいようです。
あとはこの腸管ガスの貯留が減少すれば、言うことなし、といった状態です。
そこで看護師さんやリハビリスタッフと協議を行い、

6)経管栄養を投与していない時間帯での経鼻胃管の開放
7)腸の動き(蠕動:ぜんどう)を改善させるための離床・車椅子移乗、トイレへの移乗

を並行して行うことにしました。

さて、これらの対策によって、今度こそ、レントゲン画像は改善するのでしょうか?
次号、今度こそ 完結編です。ぜひご覧ください。

→ 腹部レントゲンから治療プランを立てる・その3

レントゲン、見方の味方8

→ 腹部レントゲンから治療プランを立てる・その5

レントゲン、見方の味方10