これでスッキリ! 便通管理 3
食欲不振の原因は、便通と〇〇?
さて、「これでスッキリ! 便通管理2」でご紹介した症例では、
下剤の調整によって便通が改善し、食欲も回復しました。
しかし、そんなにウマくいく場合ばかりではありませんよね。
そんな時、食欲不振や便通不良のある症例で まず実施したいのが、腹部レントゲンです。
「レントゲン、見方の味方4」にも記した通り、腹部の状態を知りたいときの腹部レントゲンは、
「臥位」で撮影するとよいのでしたね。
また「臥位」でレントゲンを撮影した際の腸管ガスの見方は「レントゲン、見方の味方 5」をご参照ください。
腹部レントゲン検査を実施する最大の理由は、器質的異常の可能性がないかを確認するため、
つまり腸閉塞や、腸閉塞をきたすような疾患(大腸がんをはじめとして様々な原因がありますが)
が隠れていないかを確認するためです。
もし、小腸ガスが異常に多い、とか、ある部位より手前(口側)の腸管ガスの貯留だけが目立つ、
などの異常が疑われる場合には、CT検査などの他の画像検査を併用するべきでしょう。
しかし、各種検査をしても器質的異常がなかった場合、つまり便通が食欲に影響していなかった場合には、
どのような方法が食欲改善に有効でしょうか。
身体的な異常所見がなければ、気持ちの問題もあるかもしれませんよね。
特に病後のつらい時期に入院している方々は、回復への不安や以後の生活・仕事に対する不安などがあるため、
精神的に落胆していることが食欲低下の原因であることも少なくありません。
もちろん、お若くて、ご自身の状態を明確に訴えられる方であればよいですが、
聞き取りが難しい方や高齢者の中には、医療者が思いを巡らせて患者さんの状態を
推測してあげるしかない場合もあります。
そこで忘れていただきたくないのが、「うつ(うつ傾向・うつ状態)」です。
一見すると、表情が明るく、意欲的に見える方であっても、病後の気分の落ち込みはあるものです。
もちろん、薬剤の投与には慎重を期すべきで、主治医の判断のもとで内服薬の調整を行うべきです。
また「うつ」に対する薬剤は、双極性障害(躁うつ病)の方に対しては
特に慎重に投与を検討するべきで、安易に使用するべきではありません。
ですから、条件が整った場合に、筆者が使用している「食欲不振」に対する薬剤を、ご紹介すると…、
・ドグマチール:古典的に、食欲不振に用いられることも多い薬剤。
1)統合失調症や2)うつ病・うつ状態、更に3)胃/十二指腸潰瘍に対して投与。
2)に対する用量は、1錠50mg錠を1日で3~6錠、つまり1日あたり150~300mgです。
筆者はそれよりも更に少量の、1日1回50mg程度から用いることもあります。
・六君子湯 :漢方薬は散剤であることが多く、服用が難しい場合がある。
その場合には、白湯にといて服用する場合も。
・ミルタザピン:レメロン®、リフレックス®、ミルタザピン®などの商品名があり、
NaSSAと呼ばれる抗うつ剤。
副作用に「過食」と記載されている通り、食欲が大幅に改善することがあります。
使用については、相互作用や副作用を考慮して、主治医と相談して慎重に行うこと。
使用する場合には、15mgを1日1回夕に投与。腎機能も考慮して投与量を調整してください。
もちろん上記以外にも様々な方法や薬剤があると思いますが、
筆者が臨床の現場で使用することが多い薬剤をご紹介しました。
投与に際しては、主治医と協議のうえで慎重に投与してください。
また症状や患者さんによって効果がない場合もありますし、食欲不振の原因が
他にある場合も充分に考えられますので、効果がない場合には 改めて
原因を検討する謙虚な姿勢が大切だと思います。
下剤の調整によって便通が改善し、食欲も回復しました。
しかし、そんなにウマくいく場合ばかりではありませんよね。
そんな時、食欲不振や便通不良のある症例で まず実施したいのが、腹部レントゲンです。
「レントゲン、見方の味方4」にも記した通り、腹部の状態を知りたいときの腹部レントゲンは、
「臥位」で撮影するとよいのでしたね。
また「臥位」でレントゲンを撮影した際の腸管ガスの見方は「レントゲン、見方の味方 5」をご参照ください。
腹部レントゲン検査を実施する最大の理由は、器質的異常の可能性がないかを確認するため、
つまり腸閉塞や、腸閉塞をきたすような疾患(大腸がんをはじめとして様々な原因がありますが)
が隠れていないかを確認するためです。
もし、小腸ガスが異常に多い、とか、ある部位より手前(口側)の腸管ガスの貯留だけが目立つ、
などの異常が疑われる場合には、CT検査などの他の画像検査を併用するべきでしょう。
しかし、各種検査をしても器質的異常がなかった場合、つまり便通が食欲に影響していなかった場合には、
どのような方法が食欲改善に有効でしょうか。
身体的な異常所見がなければ、気持ちの問題もあるかもしれませんよね。
特に病後のつらい時期に入院している方々は、回復への不安や以後の生活・仕事に対する不安などがあるため、
精神的に落胆していることが食欲低下の原因であることも少なくありません。
もちろん、お若くて、ご自身の状態を明確に訴えられる方であればよいですが、
聞き取りが難しい方や高齢者の中には、医療者が思いを巡らせて患者さんの状態を
推測してあげるしかない場合もあります。
そこで忘れていただきたくないのが、「うつ(うつ傾向・うつ状態)」です。
一見すると、表情が明るく、意欲的に見える方であっても、病後の気分の落ち込みはあるものです。
もちろん、薬剤の投与には慎重を期すべきで、主治医の判断のもとで内服薬の調整を行うべきです。
また「うつ」に対する薬剤は、双極性障害(躁うつ病)の方に対しては
特に慎重に投与を検討するべきで、安易に使用するべきではありません。
ですから、条件が整った場合に、筆者が使用している「食欲不振」に対する薬剤を、ご紹介すると…、
・ドグマチール:古典的に、食欲不振に用いられることも多い薬剤。
1)統合失調症や2)うつ病・うつ状態、更に3)胃/十二指腸潰瘍に対して投与。
2)に対する用量は、1錠50mg錠を1日で3~6錠、つまり1日あたり150~300mgです。
筆者はそれよりも更に少量の、1日1回50mg程度から用いることもあります。
・六君子湯 :漢方薬は散剤であることが多く、服用が難しい場合がある。
その場合には、白湯にといて服用する場合も。
・ミルタザピン:レメロン®、リフレックス®、ミルタザピン®などの商品名があり、
NaSSAと呼ばれる抗うつ剤。
副作用に「過食」と記載されている通り、食欲が大幅に改善することがあります。
使用については、相互作用や副作用を考慮して、主治医と相談して慎重に行うこと。
使用する場合には、15mgを1日1回夕に投与。腎機能も考慮して投与量を調整してください。
もちろん上記以外にも様々な方法や薬剤があると思いますが、
筆者が臨床の現場で使用することが多い薬剤をご紹介しました。
投与に際しては、主治医と協議のうえで慎重に投与してください。
また症状や患者さんによって効果がない場合もありますし、食欲不振の原因が
他にある場合も充分に考えられますので、効果がない場合には 改めて
原因を検討する謙虚な姿勢が大切だと思います。
まずは便通の記録から
便通管理の薬を紹介