これでスッキリ! 便通管理 2
「便通の記録」をみてみよう
前回は、便通管理のキホンとして、看護師の皆さんが記録されている
「看護記録」が非常に有用だとお伝えしました。
では今回は、実際に、看護記録をもとに便通管理をしてみたいと思います。
書式は施設によって様々だと思いますが、一般的には下記のような
記録内容になっているのではないでしょうか。
看護記録で 筆者がまず注目するのは、「食事摂取量」です。
もちろん便通異常以外でも食事摂取量は低下しますよね。
これまでも、当サイトの「便通コントロールの極意」でもお伝えした通り、
食欲不振・食事摂取量低下の原因として、便秘の場合も多いと思います。
表の 〇月1日の記録を見ると、食事摂取量は比較的安定していますが、
〇月2日には食事摂取量の低下がみられました。
このため予測指示に従って浣腸を行ったところ、普通便が多量にみられました。
〇月3日には食事摂取量が改善しましたが、4日には食事摂取量が低下したため、
便通が原因で食欲不振をきたしていると判断してセンノシドの内服を開始。
5日の午前に排便が見られ、昼以降は食事摂取量が回復しています。
「看護記録」が非常に有用だとお伝えしました。
では今回は、実際に、看護記録をもとに便通管理をしてみたいと思います。
書式は施設によって様々だと思いますが、一般的には下記のような
記録内容になっているのではないでしょうか。
看護記録で 筆者がまず注目するのは、「食事摂取量」です。
もちろん便通異常以外でも食事摂取量は低下しますよね。
これまでも、当サイトの「便通コントロールの極意」でもお伝えした通り、
食欲不振・食事摂取量低下の原因として、便秘の場合も多いと思います。
表の 〇月1日の記録を見ると、食事摂取量は比較的安定していますが、
〇月2日には食事摂取量の低下がみられました。
このため予測指示に従って浣腸を行ったところ、普通便が多量にみられました。
〇月3日には食事摂取量が改善しましたが、4日には食事摂取量が低下したため、
便通が原因で食欲不振をきたしていると判断してセンノシドの内服を開始。
5日の午前に排便が見られ、昼以降は食事摂取量が回復しています。
主食 | 副食 | 排便数 | 量 | 性状 | 処置 | 内服 | |
〇月1日 | 10 | 6 | 0 | - | |||
8 | 6 | ||||||
6 | 7 | ||||||
〇月2日 | 5 | 5 | 1 | 多 | 普通 | 浣腸 | |
2 | 4 | ||||||
8 | 8 | ||||||
〇月3日 | 10 | 10 | 0 | - | |||
8 | 10 | ||||||
10 | 8 | ||||||
〇月4日 | 6 | 8 | 0 | センノシド開始 | |||
4 | 4 | ||||||
3 | 4 | ||||||
〇月5日 | 5 | 6 | 1 | 多 | 普通 | ||
8 | 8 | ||||||
10 | 10 | ||||||
〇月6日 | 10 | 10 | 1 | 普通 | 普通 | ||
8 | 9 | ||||||
9 | 8 |
このケースは、食事摂取量の低下に対して、便通不良が原因ではないかと考えて対応したことで、
便通および食事摂取量ともに改善した例です。
筆者の担当病床では、便通不良時の予測指示として、以下のようにしています。
便通が2日間ないとき、
1)ピコスルファート
2)センノシド
3)浣腸(グリセリン浣腸60ml)、4)摘便、のいずれかを実施
(ただし状態に合わせて 適宜併用可)
1つ目のポイントは、「3日間」で対応するのではなく、
便通が「2日間」なければ対応する、という点です。
もしかしたら、「3日間」排便がなければ対応する、という職場も多いかもしれませんが、
もし3日間排便がなくて4日目に対応して、それでも便通がないとなると、
5日目になって対応する、ということになります。
さすがに5日間も排便がないとなると、何か別のイベントが起きてしまう可能性もありますよね。
そこで、早めに「2日目」に対応するよう心掛けています。
2つ目のポイントは、上記の1)~4)の指示を状態に合わせて併用可能、という点です。
しかも1)~4)のどの薬剤を使うかは、普段から便通管理に対処している
看護師の皆さんの判断が頼りです。
「便が柔らかい場合にはピコスルファートよりもセンノシドの方がいいかな」、とか、
「これまでピコスルファートやセンノシドでは便が出なかったから、浣腸の方がいいかな」とか。
もちろん腹部のレントゲン検査で、どのあたりに便があるか、
ガスの状態はどうか、などを確認しながら対処法を決めたり、
対処してもうまくいかない時には医師と相談しながら対応する方が良いと思います。
しかしあくまで予測指示は、便通不良に対する対応策です。
予測指示での対応が続く場合には、下剤を中心とした内服薬を見直すことで、
予測指示が不要な状態にしたいものですね。
便通および食事摂取量ともに改善した例です。
筆者の担当病床では、便通不良時の予測指示として、以下のようにしています。
便通が2日間ないとき、
1)ピコスルファート
2)センノシド
3)浣腸(グリセリン浣腸60ml)、4)摘便、のいずれかを実施
(ただし状態に合わせて 適宜併用可)
1つ目のポイントは、「3日間」で対応するのではなく、
便通が「2日間」なければ対応する、という点です。
もしかしたら、「3日間」排便がなければ対応する、という職場も多いかもしれませんが、
もし3日間排便がなくて4日目に対応して、それでも便通がないとなると、
5日目になって対応する、ということになります。
さすがに5日間も排便がないとなると、何か別のイベントが起きてしまう可能性もありますよね。
そこで、早めに「2日目」に対応するよう心掛けています。
2つ目のポイントは、上記の1)~4)の指示を状態に合わせて併用可能、という点です。
しかも1)~4)のどの薬剤を使うかは、普段から便通管理に対処している
看護師の皆さんの判断が頼りです。
「便が柔らかい場合にはピコスルファートよりもセンノシドの方がいいかな」、とか、
「これまでピコスルファートやセンノシドでは便が出なかったから、浣腸の方がいいかな」とか。
もちろん腹部のレントゲン検査で、どのあたりに便があるか、
ガスの状態はどうか、などを確認しながら対処法を決めたり、
対処してもうまくいかない時には医師と相談しながら対応する方が良いと思います。
しかしあくまで予測指示は、便通不良に対する対応策です。
予測指示での対応が続く場合には、下剤を中心とした内服薬を見直すことで、
予測指示が不要な状態にしたいものですね。
便通管理の着眼点
食欲不振の原因をつかもう