もう怖くない! インスリン1
インスリンの種類と特徴を知ろう
いきなり100点満点を目指さない
糖尿病の治療には、食事・運動・治療薬の3つが基本となりますが、治療薬の中でも看護師さん達にも
大きくかかわるのが「インスリン」ではないでしょうか。
内服薬以上に血糖を低下させる効果が強い反面、低血糖のリスクもあるため、使用に慎重になる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、知っておくと安心するインスリンの基礎知識を学びたいと思います。
インスリン投与において、看護師やコメディカルの皆さんが最も気になることと言えば、「低血糖」ではないでしょうか。
インスリンを多く投与して、血糖が下がりすぎてしまった、というご経験があるかたもいらっしゃると思います。
ここで大切なのは、いきなり100点満点の血糖コントロールを目指さないことです。非常に血糖が高い場合には、
インスリンを投与することで血糖が少しでも下がればいいわけですし、
「いきなり血糖100mg/dlを目指そうとして 多めにインスリンを投与することで、むしろ低血糖になって慌てる」
という経験がある方もいらっしゃると思います。
例えば血糖が500とか700mg/dlとかの高血糖でも、まずは300mg/dlまで下げて、更に追加で、と段階的にコントロールしてもいいはず。
もちろん、急速に低下させなくてはならないケースもあると思いますが、そのようなケースはまれだと思いますので、
糖尿病の専門サイトなどできちんと学ぶことをお勧めします。
インスリンの種類
インスリンの種類を理解するうえで大切なのは、「どのくらい長く、効果が続くのか」・「どのくらい素早く効果が現れるのか」です。
1.短く・素早く効くインスリン:速効型・超速効型
2.長く・緩やかに効くインスリン:中間型・持効型
3.1と2の混ざったインスリン:混合型
(慣れないうちは、1と2だけ知っておけば充分です)
速効型・超速効型
血糖値に応じてインスリンを追加投与する「スライディングスケール」でもお馴染みのインスリンで、
具体的にはヒューマリンR®やノボラピッド®など、短時間のうちに血糖を低下させたい場合に用いるものです。
主に食後高血糖を回避するために使用します。
ですから、食事の度に投与して、血糖を安定させる必要があるのです。
看護師の皆さんは、医師の指示に基づいて使用する場合も多いのではないでしょうか。
この時に注意したいのが「低血糖」ですよね。これまで、「差がつく生化学8 糖尿病」編でもご紹介した通り、
非常に大雑把な言い方ですが、「インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下する」とお話ししました。
あくまで目安ですから、人によっては100mg/dl以上低下する方もいらっしゃいますので、
安全マージンを充分にとったスライディングスケールを作成する必要がありますね。
筆者の場合、「血糖が250mg/dl以上の場合に即効型を2単位投与する」ようにしています。
実際に使用しているスライディングスケールの例は、このシリーズの続編でご紹介したいと思います。
中間型、持効型
長時間作用するインスリン。特に、インスリンの基礎分泌を補う場合には持効型を使用します。
もっと簡単に言うと、「夕方や寝る前に投与することで、翌朝の血糖を低下させたい場合に使用する」インスリンです。
朝の血糖が高いということは、夕食を食べてから翌朝までかかっても血糖を下げることができない、
ということになり、これは夜通しインスリンを分泌しても血糖の安定には不充分だった、ということを意味します。
だからこのインスリンを補うことで、インスリンを分泌している膵臓を、休ませることができるのです。
具体的に言うと、ランタス®は翌朝まで、トレシーバ®は翌日の昼まで血糖を下げる効果が持続している印象(筆者の経験から)です。
そしてやはり速効型や超即効型と同様に、「インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下する」という印象です。
繰り返しお話ししますが、インスリンの投与量と血糖降下の程度は あくまで目安ですので、
個々の患者さんに合わせて、主治医とよく相談のうえでインスリンの投与量を決定していくべきでしょう。
次回は、インスリンのスライディングスケールと定時打ち、効果発現のタイミングの違いを学んでいきます。
糖尿病の治療には、食事・運動・治療薬の3つが基本となりますが、治療薬の中でも看護師さん達にも
大きくかかわるのが「インスリン」ではないでしょうか。
内服薬以上に血糖を低下させる効果が強い反面、低血糖のリスクもあるため、使用に慎重になる方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、知っておくと安心するインスリンの基礎知識を学びたいと思います。
インスリン投与において、看護師やコメディカルの皆さんが最も気になることと言えば、「低血糖」ではないでしょうか。
インスリンを多く投与して、血糖が下がりすぎてしまった、というご経験があるかたもいらっしゃると思います。
ここで大切なのは、いきなり100点満点の血糖コントロールを目指さないことです。非常に血糖が高い場合には、
インスリンを投与することで血糖が少しでも下がればいいわけですし、
「いきなり血糖100mg/dlを目指そうとして 多めにインスリンを投与することで、むしろ低血糖になって慌てる」
という経験がある方もいらっしゃると思います。
例えば血糖が500とか700mg/dlとかの高血糖でも、まずは300mg/dlまで下げて、更に追加で、と段階的にコントロールしてもいいはず。
もちろん、急速に低下させなくてはならないケースもあると思いますが、そのようなケースはまれだと思いますので、
糖尿病の専門サイトなどできちんと学ぶことをお勧めします。
インスリンの種類
インスリンの種類を理解するうえで大切なのは、「どのくらい長く、効果が続くのか」・「どのくらい素早く効果が現れるのか」です。
1.短く・素早く効くインスリン:速効型・超速効型
2.長く・緩やかに効くインスリン:中間型・持効型
3.1と2の混ざったインスリン:混合型
(慣れないうちは、1と2だけ知っておけば充分です)
速効型・超速効型
血糖値に応じてインスリンを追加投与する「スライディングスケール」でもお馴染みのインスリンで、
具体的にはヒューマリンR®やノボラピッド®など、短時間のうちに血糖を低下させたい場合に用いるものです。
主に食後高血糖を回避するために使用します。
ですから、食事の度に投与して、血糖を安定させる必要があるのです。
看護師の皆さんは、医師の指示に基づいて使用する場合も多いのではないでしょうか。
この時に注意したいのが「低血糖」ですよね。これまで、「差がつく生化学8 糖尿病」編でもご紹介した通り、
非常に大雑把な言い方ですが、「インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下する」とお話ししました。
あくまで目安ですから、人によっては100mg/dl以上低下する方もいらっしゃいますので、
安全マージンを充分にとったスライディングスケールを作成する必要がありますね。
筆者の場合、「血糖が250mg/dl以上の場合に即効型を2単位投与する」ようにしています。
実際に使用しているスライディングスケールの例は、このシリーズの続編でご紹介したいと思います。
中間型、持効型
長時間作用するインスリン。特に、インスリンの基礎分泌を補う場合には持効型を使用します。
もっと簡単に言うと、「夕方や寝る前に投与することで、翌朝の血糖を低下させたい場合に使用する」インスリンです。
朝の血糖が高いということは、夕食を食べてから翌朝までかかっても血糖を下げることができない、
ということになり、これは夜通しインスリンを分泌しても血糖の安定には不充分だった、ということを意味します。
だからこのインスリンを補うことで、インスリンを分泌している膵臓を、休ませることができるのです。
具体的に言うと、ランタス®は翌朝まで、トレシーバ®は翌日の昼まで血糖を下げる効果が持続している印象(筆者の経験から)です。
そしてやはり速効型や超即効型と同様に、「インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下する」という印象です。
繰り返しお話ししますが、インスリンの投与量と血糖降下の程度は あくまで目安ですので、
個々の患者さんに合わせて、主治医とよく相談のうえでインスリンの投与量を決定していくべきでしょう。
次回は、インスリンのスライディングスケールと定時打ち、効果発現のタイミングの違いを学んでいきます。
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