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これだけ! 抗生物質2 (疾患と抗生物質)


疾患と抗生物質
「これだけ! 抗生物質」では、抗生物質の基本的な分類と投与回数などについてご説明しましたが、
ここでは「疾患」との関連で抗生物質を見ていきたいと思います。

ただし耐性菌の出現などによって、抗生物質の知識はめまぐるしく変化しており、
また全ての疾患を網羅することはできないので、頻度の高い疾患や押さえておきたい知識だけを紹介しています。
ここで登場する用語で不明な点がある場合には、「これだけ! 抗生物質」もご参照ください。


・肺炎球菌性肺炎:
ペニシリン系抗生物質が有効ですが、耐性菌も増えてきています。最も代表的な肺炎。

・誤嚥性肺炎:
ABPC/SBT(アンピシリン/スルバクタム)やAMPC/CVA(アモキシシリン/クラブラン酸)など。
「~PC」というペニシリン系薬剤に、SBTやCVAという「βラクタマーゼ阻害薬」を加えた薬剤。
誤嚥性肺炎の原因菌は、βラクタム系抗生物質(ペニシリン系・セファロスポリン系・カルバペネム系)
の効果を打ち消す「βラクタマーゼ」を持っています。
この「βラクタマーゼ」を打ち消す「βラクタマーゼ阻害薬」を加えた抗生物質が、誤嚥性肺炎の治療に適しています。

・マイコプラズマ肺炎:
マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗生物質が有効です。
マイコプラズマは細菌の一種ですが、一般的な細菌感染とは異なり、
血液検査では白血球の上昇や左方移動が見られません
(「血算総決算2」を参照)。
こういった細菌感染らしくない特徴を持つ肺炎であり、「異形肺炎」とも呼ばれます。
高齢者には発症しない肺炎と言われていましたが、最近では高齢者での発症も散見されています。

・間質性肺炎:
間質性肺炎は特殊な肺炎なので、「間質性肺炎ってなに?」をご参照ください。
抗生剤は間質性肺炎治療の合併感染に対して用いられるのが主となります。

・結核:
INH(イソニアジド)、RFP(リファンピシン)の2剤を中心に、
PZA(ピラジナミド)、SM(ストレプトマイシン)を加えた4剤で治療するのが基本です。
治療期間は数か月単位と長期で、症状や検査所見が改善しても、一定期間は飲み続けるのが基本。

・尿路感染症:

セファロスポリン系(セフェム系)が有効ですが、尿路感染症や膀胱炎に対して
抗生物質の投与を繰り返している場合には、耐性菌も多く検出されます。