メニュー

血液検査データの読み方:血算総決算(3)「血小板」

[2020.12.28]

データで読み解く 「血小板」

「血算」とは?
一般的に血液検査項目のうち、骨髄で造血される成分、すなわち「赤血球」・「白血球」・「血小板」の数値(濃度)を示したもの。基本的かつ重要な項目なので、分かりやすく解説していきます。

 

「血小板」とは?
出血した際に「止血」を行う。この止血には2つの段階があり、「血小板」が関与する一次止血、フィブリンなどの「凝固系」が関与する二次止血といいます。この止血のメカニズムを理解しておくことは、実は非常に重要なのです。
血をサラサラにするお薬である抗血小板剤」と「抗凝固薬」の違いが分かりますか?実は理解できていない医療者は少なくないと思います。そこで今回は、この違いを論理的に、きちんと理解してしまいましょう!
実は、血小板に関する知識はそれだけではありません。炎症の程度を把握する重要なヒントをくれる場合があるのです。
今回は血小板に関する知識を、「止血」と「炎症の指標」という2つの項目に分けて学んでいきましょう。

 

その1:血小板止血について
一次止血出血部に最初に起こる止血反応。破綻部に血小板が粘着して凝集する。
もち・ガムのように血小板が傷口を覆う

二次止血一次止血に続いて凝固系(フィブリノーゲンやフィブリン)が作動。
一次止血でできた「ガム」を柱・梁のように補強する

 

だから…

一次止血でできる血栓=血小板血栓→これを治療するのは「抗血小板剤」→動脈で起きやすい
 →動脈で作られる血栓が原因となる 脳梗塞 や 心筋梗塞 では「抗血小板剤」で再発予防を行う

二次止血でできる血栓=フィブリン(=凝固系)血栓→これを治療するのは「抗凝固薬」 →静脈で起きやすい
 →静脈で作られる血栓が原因となる 下肢静脈血栓症 や 肺塞栓症 では「抗凝固薬」で再発予防を行う

 

その2:血小板炎症について
炎症反応が起こると、血小板の値はどうなるか、ご存知ですか?血小板は、炎症により増加します。ところが重症感染症など、炎症反応が激しい場合には、血小板は正常範囲か、むしろ低下するのです。
皆さんは、DIC、という言葉をご存知でしょうか?これは「播種性血管内凝固」といって、炎症反応によって血液中に発生する炎症物質によって、「固まらなくていいのに勝手に血が固まる(血栓ができる)」ため、血小板が消費されてしまうのです。つまり、炎症反応が軽度だと血小板が増加し、重症化するにつれて減少に転じ、血小板値は正常範囲から、むしろ低値へと変化するのです。血小板は、炎症反応の程度を見るときの目安として、白血球やCRPと同様に有用です。

 

おまけ:臨床で比較的多い血小板の異常

<血小板値が減少する疾患>
・出血
・DIC(播種性血管内凝固) / 高度炎症→DIC
・肝硬変
・特発性血小板減少性紫斑病 / 血栓性血小板減少性紫斑病
・骨髄異形成症候群 / 再生不良性貧血

 

<血小板が増加する疾患>
・炎症

 

さて、次回からは生化学項目のデータについて解説!

→ 血液検査データの読み方:差がつく 生化学(1)高ナトリウム血症編

 

抗血小板剤と抗凝固薬について、もう少し詳しく勉強したい方は...

→ 何がちがうの? 抗血小板剤と抗凝固薬

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME