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血液検査データの読み方:差がつく 生化学(4)腎機能:クレアチニン・eGFR

[2021.01.11]

データで読み解く 「Cr.」・「eGFR」

「Cr.(クレアチニン)」とは?
ざっくり言うと、腎機能を示す数値です。腎機能については「値がいほど不良で、いほど良好、とされています。ただしCr.は、「筋肉の量」を反映してもいるのです。ご存知でしたか?
Cr.は腎機能を示す指標としては代表的な値の1つですが、筋肉量によっても値が上下するため、痩せた高齢者では 検査結果を鵜呑みにせず、筋肉量を考慮に入れてCr.値を判断する必要があります。大まかに言うと、正常値は 「1」 です。

 

筋肉量↑ : Cr.↑       /       筋肉量↓ : Cr.↓

 

検査会社の指定しているCr.値の正常範囲が、例えば 「0.7~1.2」だったとしましょう。ただし検査会社の提示している正常範囲とは、多くが「身体的に異常がないとされている青壮年の検査値」をもとに設定されています。ですから、青壮年に比べて筋肉量の少ない高齢者では Cr.値は低くなるはずであり、正常範囲は、先程の「0.7~1.2」よりは低い、と考える必要があるのです。従って同じ「Cr. 1.0」でも、若い方なら正常、高齢者であれば腎機能低下、と判断する必要があるかもしれないのです(ただし最近の高齢者は元気で、ジムで鍛えている人もいますので、人それぞれ、ですが)。

 

最近ではもう少し客観的に判断できる腎機能の指標として、eGFRというのがあります。最近では多くの病院の検査項目にも含まれていますが、これは「値がいほど良好で、い方ほど不良なのです。このeGFRは糖尿病の患者さんの腎機能低下を見るときには有用です。糖尿病は腎機能低下→慢性腎不全(糖尿病性腎症)となりますが、人工透析になる原因疾患として、糖尿病が最多なのです。糖尿病による初期の腎機能低下例ではeGFRは上昇し、正常値100を超えて130とか140になったりします。しかし末期状態になれば著しく低下します。つまり糖尿病患者さんのeGFRが高値であれば、既に糖尿病性腎症は始まっている、と考えるべきです。そして正常レベルであれば、実は低下してきているのでは? と考えなくてはなりません。

 

腎性貧血とは?
もう1つ、高齢者に比較的多い疾患として腎性貧血があります。簡単に言えば、「腎機能が悪いから貧血になる」わけですが、これはエリスロポエチンという腎臓由来の物質が不足することによって起こります。腎性貧血は、このシリーズの「血算総決算①」の貧血について解説した際にも登場しました。さて、腎性貧血は、大球生? 正球性? 小球性? 答えは、正球性、でしたね。貧血の分類から正球性貧血があり、また腎機能低下があった場合にはエリスロポエチンの皮下注射をすると、貧血が改善することがよくあります。この場合に大切なのは、先述した通り、筋肉量の少ない高齢者では、Cr.値が正常範囲であった場合でも腎機能低下を疑う必要があり、正球性貧血があれば腎性貧血を考えて、エリスロポエチンの投与を検討する、ということです。皮下注射キットの最小単位量を、製品によって異なりますが1~2週に1回投与するだけで、早ければ1~2か月後にはHb.が改善します。もし効果がなければ、腎性貧血以外の原因も考えるべきでしょう。

 

→ 血液検査データの読み方:差がつく 生化学(5)肝機能:AST・ALT・ALP・γGTP

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