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教えて! 回復期リハ6

[2021.06.10]

回復期リハ病棟でリハビリをすると、何が、どのくらい 回復するのか?

 

これまで回復期リハビリ病棟について学んできましたが、平均75歳の患者さんが、回復期リハ病棟でリハビリを終えた後、その8割が在宅復帰するのでしたね。では、具体的に、回復期リハ病棟でリハビリをすると、何が、どの程度 回復するのでしょうか。前回までに学んだFIMを使ってご説明します。FIMが分からない、忘れてしまった、という方は、教えて!回復期リハ4・5に戻って確認してください。

 

FIM利得、改善のほとんどは運動項目

2020年3月に 回復期リハビリテーション病棟協会が発行した「回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書」をもとに、要点をまとめると、この表のような結果になりました。

  運動項目 認知項目 合計
運動器疾患 22.4 1.6 24.0
脳血管疾患 19.6 3.3 23.0
廃用症候群 16.5 1.9 18.4
全疾患 20.67 2.37 23.04

 

着目すべき点は、疾患に関わらず、FIM利得は、そのほとんどが運動項目であり、認知項目の改善は乏しい、という点です。脳血管疾患に対して、言語聴覚士による専門的な訓練をしたとしても、認知項目5項目を1点ずつ伸ばすことすら難しいのです。この結果を言い換えれば、つまり…

回復期リハとは、病後早期に、集中的にリハビリを行うことによって、主に運動項目の改善を図るリハビリテーション

と、言えるでしょうか。もちろんこれは、あくまでFIMという評価指標の中での話ですので、いたずらにFIMの評価項目としての認知項目を増やせば、認知項目は数値上、更に改善させることができます。しかしイメージとして、126点満点のFIMにおいて、その91点が運動項目・35点が認知項目と、その比が約5:2であるにも関わらず、得られる利得は、20.67点:2.37点と、約9:1なのです。

 

従って医療者であれば、「回復期リハ病棟でリハビリをすれば、何となく良くなるのだろう」と楽観視するのではなく、この認知項目の改善の難しさを補って充分な退院支援を、回復期リハ病棟入院前から想定しておく必要がある、ということです。これは回復期リハ病棟に勤務するスタッフ以外にも、患者さんの退院後の生活を多方面で支えるケアマネジャーや訪問看護師の皆さんにも、ぜひ知っていただきたい知識です。言い方を変えれば、回復期リハ病棟に入院する前に認知機能を確認しておけば、ほぼその状態で退院してくると想定して退院支援を進めておいた方がよい、ということになります。もし 認知機能が予想以上に回復したら、想定よりも退院後の生活が安定することになりますので、その場合には問題は少ないと思います。

このことを理解したうえで、どうすれば目標とする環境に退院することができるのか、次回はソーシャルワークのポイントを含めて解説していきます。

 

→ 教えて! 回復期リハ7

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