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心電図、ホンキのキホン(8)「虚血」とは、心臓の筋肉の「酸欠状態」

[2021.02.01]

「虚血」とは、心臓の筋肉の「酸欠状態」

この勉強会の(1)~(6)では、心臓を動かす電気の伝わり方とその異常(不整脈)について学びましたが、前回の(7)以降は筋肉自体に栄養や酸素を送る感動脈について説明しています。

前回の勉強会では、冠動脈について勉強しましたが、冠動脈は「(ひだり)回旋枝(かいせんし)」、「(ひだり)前下行枝(ぜんかこうし)」、「みぎ冠動脈」の3本がありましたね。当然、それぞれの血管の中を血液が流れ、その血液によって栄養される筋肉は決まっていました。どの血管も栄養できる範囲が決まっており、従ってどの血管が欠けても心臓の筋肉に異常をきたします。この血液の流れが減少したり、途絶えたりする異常のことを「虚血(きょけつ)」と呼び、いわば筋肉の酸欠状態といえます。筋肉の酸欠状態をイメージするために、「水の中で息を止めている」と考えてください。限界ギリギリまで息を止めていると、息苦しくなりますよね。でもまた息を吸えば、元に戻る。心臓に筋肉、つまり心筋で、この「息を止めて苦しい(酸欠状態)けど、元に戻る状態」が起こることを「狭心症(きょうしんしょう)」といい、「酸欠状態から元に戻らない状態(死んでしまった状態)」を「心筋梗塞」といいます。どちらも苦しいのですが、「回復可能か否か」という点に違いがあります。この違いは、心電図にも現れます。狭心症と心筋梗塞、いずれの場合も「酸欠状態」にはなりますから、「酸欠状態」になっているときは心電図が変化しますが、狭心症ではもとに戻るため心電図所見も正常に戻り、心筋梗塞では所見が残るわけです。

つまり、虚血には2つあり、

・心臓の筋肉が一時的に酸欠状態になるけど、回復して元に戻る=狭心症=改善後は心電図が正常

・心臓の筋肉の酸欠状態が続き、筋肉が壊死してしまう=心筋梗塞=改善後も心電図に所見が残る

 

ということは、「狭心症の段階で治療できれば心臓の筋肉は壊死せずに機能を回復し、心筋梗塞になると機能は回復せずにダメージが残る」ということになります。「治療」についてはいずれお話ししますが、簡単に言うと、心臓への「酸素」の供給を回復してあげることです。つまり、心臓の筋肉に「酸素」を供給する「血液」の流れを回復してあげることが重要なのですが、これには専門的な治療が必要となりますので、病棟でもできることをしっかりやって、診断をつけ、然るべき医療機関での治療につなぐ、ということが大切です。そのために病棟の守り主である皆さんができることはなにか…。まずは、1.「心電図検査」を行って普通の心電図との変化を確認して、虚血のようであれば2.Dr.callをし、3.体の酸素需要を減らして心臓の負担を軽くするために「安静」とし、4.心筋に酸素が届きやすいように「酸素投与」を行ってSpO2を保ち、5.治療薬の投与に必要な「ルートキープ」を行い、6.(5.と同時に)「血液検査」を行う必要があります。リハビリ病棟で行う対応としては、このような手順になるかと思います。

次回は、どの血管が障害を受けると、心電図のどこに異常所見となって表れるのか、についてご説明します。

→ 心電図、ホンキのキホン(9)冠動脈の異常は、心電図のどの誘導に現れるのか?

 

 

 

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