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心電図、ホンキのキホン(12)ペースメーカー、アレコレ

[2021.02.15]

ペースメーカー、アレコレ

前回はペースメーカーについて学びました。「急性期」で使うペースメーカー(テンポラリー)と「慢性期」で使うペースメーカー(パーマネント)がありました。いわば、医療のどんな場面・フェーズにおいて、ペースメーカーを使うのか、という視点での分類でした。今回は、パーマネントのペースメーカーを、「機能」で分類してみたいと思います。

ペースメーカーは、脈が遅い場合などに、電気刺激を発して心臓の筋肉を刺激する機械です。ということは、「心臓の電気刺激を感じて」、「機械的に電気刺激を発する」必要があります。そしてもう一つ、「どうやって心臓を刺激するか」、という3つの視点で機能を分類します。

この場合の「どこ」は、心臓の筋肉の「どこ」か、が問題となります。「右心Atrial)」と「右心Ventricular)」のどちらか、またはその「両方Dual)」の3種類で分類します。つまり、「か」、ですね。

次に「どうやって」ですが、これも3つあり、「抑制Inhibit)」、「同期Trigger)」、そして「両方Dual)」、です。この「どうやって」について簡単に説明すると、

・「抑制Inhibit):心臓の脈がきちんと出ていれば、ペースメーカーの刺激を控える(抑制する)」
・「同期Trigger):心房と心室の収縮が うまく連動するよう、調整する(同期する)」
・「両方Dual) :抑制も同期もできる」

むむむ!既に充分、ややこしい…。このアルファベットを並べて、ペースメーカーの機能を表現する仕組みになっているのですが、「どこを刺激するか」で3通り、「どこで感じるか」で3通り、「どうやって刺激するか」で3通り…。つまり全部で3×3×3=27通り、となります。多い…(汗)。でも、安心してください、実は3つ覚えれば充分です。アルファベットを並べるなら、

 

VV:「右心を刺激」+「右心で感じて」+「抑制する」

DD」:「右心を刺激」+「右心房と右心室の両方で感じて」+「抑制と同期の両方できる」

DDD」:「右心房と右心室の両方を刺激」+「右心房と右心室の両方で感じて」+「抑制と同期の両方できる」

 

VVIのイメージ

DDDのイメージ

 

 

この3種類である場合が殆どですから、覚えておくといいと思いますが、実は、覚えてなくても平気です。だってペースメーカーが入っていれば、少なくとも心臓は年単位で動き続けるわけですから。しかしペースメーカーが入っているはずなのに、不整脈がでたり、異常は波形が出たりします。またそのような場合には、「動悸」や「息苦しさ」など、何らかの症状が現れます。そういった変化を見逃さないことが大切であり、おかしいと思ったら、「12誘導心電図」を実施することが大切です。「心電図モニターではダメなの?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、心電図モニターでは、ペースメーカーの刺激や波形を正確に読み取れないことがあるのです。ですから「おかしい?」と思ったら、心電図モニターではなく、「12誘導心電図」で検査するように心がけてください。

結局のところ、心臓の病気を疑ったら、最初に実施すべき検査は「12誘導心電図」、ということですね!でも皆さん、ちゃんと胸部につける電極の色と順番、覚えていますか?覚えていない・忘れた、という方は、このシリーズ(9)の下の方を復習してみてくださいね。

→ 心電図、ホンキのキホン(13)「不整脈のバカ!」・・・AED & ICD は心臓への愛のビンタ

 

 

 

 

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