メニュー

レントゲン、見方の味方(8): 腹部レントゲンを参考に、治療プランを組み立てよう ・ その3

[2021.08.23]

前回、前々回に続き、脳梗塞後の80代の男性、長期に渡ってベッド上 安静を続けてきた方の便通管理を考えていきます。経管栄養投与中の大腸ガス・小腸ガスの貯留に対して、1)経管栄養を中止、2)点滴投与を開始して腸管安静を図る、3)経鼻胃管は留置してセンノシドの内服を継続しましたね。そこから数日が経過して大腸ガス・小腸ガスは減少したものの、依然として腸管ガスは多く、前回は 4)大建中湯 5g 分2朝・夕食後、を開始しました。大建中湯開始から数日後のレントゲンを示します。

 

 

前回、前々回に比べて、腸管ガスが明らかに減少していますね。大建中湯開始後は腹痛もなく、安定した軟便~泥状便ではありましたが1日1回程度の便通が見られました。この間、食事・経管栄養の摂取を行っていなかったのですから、便塊も多く貯留していたことになります。

しかし依然として肛門付近には便塊があり、写真では分かりにくいかもしれませんが、一部に 小腸ガスを思わせる所見があったため、この時点で 大建中湯を 1回2.5g 1日2回朝・夕から 5)大建中湯 1回2.5g 1日3回朝・昼・夕に増量、しました。大建中湯増量から更に数日間の経過を経て、経管栄養を少量から再開し、徐々に点滴を減量していきました。経管栄養は、少量で多くの栄養・カロリーが摂取できるように、濃い、つまり浸透圧の高い ものがあります。そのため、投与によって下痢(浸透圧性下痢便)をきたすこともあり、投与後に下痢便が続いてしまうこともあります。あまり下痢が続くと、低K(カリウム)血症になるため、注意が必要です。

さて、大建中湯を増量し、経管栄養も再開しましたが、次号はどんなレントゲン画像になっているでしょうか。次号は完結編となるか、 ぜひ、ご覧ください。

 

次号は完結編となるか?

→ レントゲン、見方の味方 9

 

腹部レントゲンのシリーズを再確認

→ レントゲン、見方の味方4

 

便通管理の内服薬を紹介

→  便通コントロールの極意

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME