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レントゲン、見方の味方(5)腸管ガスの見方

[2020.12.17]

そのガス、大腸? 小腸?
それだけじゃない、腸管ガスの見方

 

前回に続いて腹部レントゲン検査について勉強しますが、今回も腸管の「ガス」について学びます。腸管ガスの見方ですが、下記の通り、腹部レントゲンで見られるガス像には、幾つかの種類があります。上から順に挙げれば、1.胃包、2.小腸、3.大腸、のガスです。このうち、レントゲンで見えてもいいのは、3.です。1.は見えてもよいのですが、あまり大きく、いつ撮影しても見られるようですと、ちょっと心配です。そして2.の小腸ガスは、基本的には「見えただけで異常」なのです。

 

 

  1. 胃包:見えてもよいが、撮影する度に見えていたり、胃内に食物残差が残っているようでしたら、胃の出口である「幽門部」の狭窄を疑います。胃幽門部癌では、幽門部狭窄の所見がレントゲンでみられることがあります。
  2. 小腸ガス:通常の腹部レントゲンでは、見えない」のが原則つまり、「見えたら異常」、ということ。重度の便秘や腸管の動き(蠕動運動)が著しく障害されるような状態で出現。この状態で食事をしても、嘔吐してしまうことも多い。また筆者の経験上ですが、腸管自体に異常がなくても、小腸ガスがある周辺に病気が隠れていることがあります。例えば、腎盂腎炎があった場合、炎症のある腎臓の周辺だけ小腸ガスが出現することがあります(この所見には何度か助けられました)。逆に小腸ガスの周辺に病変があると疑って、追加検査をする、というのもテクニックの1つ。小腸の襞(ヒダ)は小さいのが特徴で、ケルクリング襞、といいます。腹部の中央部に位置していることが多い。
  3. 大腸ガス見えていても問題がない腸管ガス。しかし、あまりに多量だったり、太く大きく写っていたら、その周辺(多くは腸管の肛門側)の異常を疑うべき。大腸ガスは、小腸ガスを取り囲むように、腹腔内の外側にあることが多い。大腸は襞が大きく、腹腔の外周を走るのが特徴。

 

 

レントゲン編、いかがだったでしょうか?5回に渡って胸部・腹部のレントゲンの見方をご紹介してきました。これらのコツは、実際にこれまで私が臨床の現場で何度も助けられた、と思っているもので、呼吸器や消化器の専門の先生方に教えていただいた知識です。たったこれだけ、なのですが、少しでも皆さんのお役に立てたなら幸いです。

 

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