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もう怖くない! インスリン3

[2021.04.26]

血糖を調整してみよう!

 

インスリンについてご紹介したこのシリーズも3回目。今回は、実際に血糖コントロールをしてみましょう。といっても、以下の例題で、ですが。「もう怖くない! インスリン1」 や 「もう怖くない! インスリン2」の内容を理解していれば、皆さんにもできるはずです。

 

〇月×日      朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

 血糖値(mg/dl)  162  286  228  246

 

さて、この場合、昼の血糖が高いので、試しに昼の血糖を、速効型・超速効型インスリンで下げてみましょう。スライディングスケールであれば、昼の高血糖に対して、昼に速効型や超速効型のインスリンを2単位とか4単位とか投与することが多いと思います。では、同じように昼食前の高血糖に対して、定時打ちでインスリンを投与する場合、いつ投与すべきでしょうか?答えは、朝、です。定時打ちで高血糖を改善させたい場合、高血糖の1つ前のタイミングのインスリンを調整するのでしたね。更に前回の「もう怖くない! インスリン1」でもご紹介した通り、「インスリン2単位投与で血糖は50mg/dl低下する」のでしたね。ここで、朝に超速効型のノボラピッド®を、朝に4単位投与したとします。4単位投与したら、血糖が100mg/dl程度低下すると予想されますが…。

 

〇月(×+1)日 朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

血糖値(mg/dl) 152  158  196  220

 

朝に超速効型を投与することで、予想以上に昼食前の高血糖は随分と改善されました。しかも合わせて夕食前や就眠前の血糖も低下していますね。日中は概ね血糖が安定していますから、ひとまずこれで経過を見ても良いでしょう。朝の血糖も高い気もしますが、慌てずに経過を見ていると、1週間程度で更に血糖が低下する場合もあります。では1週間後の血糖を見てみましょう。

 

〇月(×+7)日 朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

血糖値(mg/dl) 178  198  190  204

 

あら、予想よりも下がっていないようですね。まぁ、こんなこともあります。朝食前の血糖上昇はインスリンの基礎分泌が低下している状態を表しています。では今度は、朝の高血糖を改善することにしましょう。朝の血糖を下げるには、いつインスリンを投与するべきでしょうか?定時打ちで高血糖を改善させたい場合、高血糖の1つ前のタイミングのインスリンを調整するのですから、前日の就眠前にインスリンを投与するとよいですね。「もう怖くない! インスリン1」でも紹介した通り、インスリンの基礎分泌を補うには持効型が適していました。では、朝のノボラピッド®4単位に加えて、就眠前にトレシーバ®を2単位投与してみましょう。

 

〇月(×+8)日  朝食前 昼食前 夕食前 就眠前

 血糖値(mg/dl) 129  176  162  178

すると、翌日の血糖は、朝食前だけでなく、昼以降も血糖が低下しました。それだけ長時間、インスリンが作用しているということですね。

さて、少しインスリンを使った血糖コントロールのコツが掴めたでしょうか?インスリンを投与すると、血糖がどのように変化するのかを知っていれば、より安心して業務に就けるのではないでしょうか。「インスリン、よく分からなくて…」という方にとって、本シリーズが少しでも参考になったなら幸いです。

 

糖尿病・HbA1cについて復習しておきたい方は、

→ 血液検査データの読み方:差がつく 生化学(8)糖尿病:HbA1c・血糖

 

知っているようで知らない、分かったつもりだけど自信がない、「抗血小板剤」と「抗凝固薬」の違いは、

→ 何が違うの? 抗血小板剤と抗凝固薬

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