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そうだったのか! 就労支援6

[2021.07.08]

特例子会社とは?

本シリーズの4・5回では、「法定雇用率」についてご説明しました。障害という「個人」の課題を、職場や組織、そして社会全体の課題として捉えることで、障害がある方の社会参画を促す時代になってきましたが、どの事業所でも障害者の受け入れに対して柔軟に対応したと思ってはいても、色々と大変なものです。例えば車椅子の方を受け入れようと考えた場合、職場としてはどのような配慮が必要でしょうか?

通勤という点では、車いすの方でも通勤しやすいよう、電車やバスといった公共交通機関から近い場所に職場があると便利ですし、通勤の時間帯や勤務時間にも調整を必要とする場合もあると思います。職場環境では、階段昇降が必要ない1階の職場や、2階以上ならエレベーターの設置が必要になります。更にトイレの改装も必要になるかもしれません。業務中も長時間の座位でも作業がしやすいよう、障害に応じた職務内容を担当してもらう、といった配慮が必要となるかもしれません。更に職場内での移動の妨げにならないよう、車いすでも容易に通れる通路が必要となります。

会社全体での従業員規模が1,000人の会社であれば、法定雇用率に従って20人以上の障害のある方を雇用する義務があり、支店や分店など、それぞれがバラバラの事業所に配属されている場合には、個々の職場で同様の配慮が必要となることになります。これでは企業の負担も大きく、結果として障害者雇用が促進されない可能性がでてきてしまいます。

そこで、障害のある方が働きやすい環境を集約すれば、企業としても同時により多くの障害のある方を受け入れ、雇用することができます。こうした集約型の職場を「特例子会社」といいます。

 

筆者が障害者雇用について執筆した「リハビリナース」の連載『「職リハ」ってなに?』のために訪ねた ある「特例子会社」では、環境が整備され、障害に応じて決められた担当業務を積極的にこなしていました。障害のある方が大勢集まることで、障害のある方同士が互いに教えあい、助け合う環境が整えられていました。「特例子会社」の代表者の方におうかがいすると、障害のある方々は皆さん非常にマジメで、「あまり働きすぎないように、休憩時間にはリラックスできる音楽を流し、その間は業務をしないことをルール化するなど、働きすぎないよう配慮している」とのことでした。障害のある方が就労を通じて更に成長できるよう、職場環境を整備することで 長期間 勤続できるように様々な工夫がなされています。

更にこの職場で身に着けたスキルを活かして、よりよい勤務環境に転職される方もいらっしゃるとのこと。障害者雇用もスキルアップ、パラレルキャリアの時代ですね。読者の皆さんの中には、「障害者雇用」に対するイメージが変わった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者が雑誌取材で訪れた「特例子会社」。
車いすが通る範囲を視覚化することで、移動の妨げにならないよう 配慮されている。

 

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