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これでスッキリ! 便通管理 1

[2021.09.02]

便通管理の着眼点

リハビリ病棟や療養病棟など、入院が長期化しやすい患者さんを担当している医療者の皆さんなら、患者さんの便通に悩まされることも少なくないのではないでしょうか?ずっと便秘の場合や、逆に下痢・軟便の場合など、排便介助やオムツ交換だけでも相当な手間がかかります。また自宅退院を目指す場合、ご家族がご本人に希望する身体機能として最もニーズが高いのが、「排泄動作」、つまり「ちゃんとトイレに行けること」と言われています。従って入院患者さん、施設療養中の方々の便通コントロールは、ご本人だけでなく、医療者やご家族などへの波及効果が大きく、何としても改善させたいところです。

実は筆者の勤務する病棟でも、便秘や下痢の患者さんは 大勢いらっしゃって、苦労しながら改善を図っています。同時に、入院中だからこそ、内服薬をアレコレ調整することができ、退院後やその後の療養生活で、ご本人・介護者・医療者の負担を軽減することができると考えています。そこで今回は、便通改善に関する情報をシリーズ化して、筆者が行っている取り組みを中心にご紹介したいと思います。実は、注目すべき点は かなりシンプルで、皆さんにご紹介するまでもないことかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。では、はじめていきましょう!

★便通コントロール、どこに着目すればいいのか?

患者さんの便通を考えるとき、私はいつも看護師さんの記録を重要視しています。そのポイントを挙げてみます。

・食欲不振はないか?

・便通は、何日に1回か?

・便の性状は?

え、たったコレだけ?と思うかもしれませんが、まずはコレだけです。

食欲不振は、便秘や下痢によって起こりうる症状の1つですね。特に便秘の場合は、「お腹がはって、食べられない」、といった方も少なくないと思います。下痢がある場合も、便失禁を気にして食べられない方もいらっしゃいますよね。体重や運動量にあった食事が提供されている場合、毎回8割程度ならいいですが、半分以下となれば、何か原因があるかもしれません。

便通は何日に1回か、つまり便通の頻度も重要な指標です。「毎日 便通がないと安心できなくて…」という方もいらっしゃるとは思いますが、2日に1回程度は排便があるとよいですね。3日や4日に1回の方もいらっしゃるとは思いますが、いつも3~4日間も排便がない状態の方が それ以上に便秘が続いてしまった場合には注意が必要です。逆に1日何回も便通がある場合には、軟便・下痢便の原因を探る必要がありますよね。また鼓腸(ガスでお腹が張った状態)の有無も重要な所見です。大腸ガスだけでなく、異常な小腸ガスが貯留していることも多く、そのガス貯留の原因として、腸管の閉塞が起こっている可能性もあります。便通が悪いときに 患者さんのお腹を見て、張っている、と感じたら、大腸ガス・小腸ガスの貯留を疑うべきです。ただし高齢者では腹筋や腹部の皮下組織が薄く、張っているとは思えないケースもありますよね。その場合には腹部のレントゲン検査をすれば、ガスの状態がすぐに分かります。

また便の性状、つまり「固い便」~「下痢便」も重要な情報になります。

これらの情報は、入院病棟であれば、多くの場合 看護記録に記載されており、筆者も主治医として非常に参考にさせていただいています。まずはこの、「便通の記録」に着目することが、とても重要になるのです。

 

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