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「不穏」に対するアプローチ2

[2021.04.08]

非薬物的アプローチについて

まず、不穏に対するアプローチとしては一般的に「非薬物的アプローチ」と「薬物的アプローチ」に大きく分けられると思いますが、果たしてどちらが大切なのでしょうか?

結論から言うとどちらも大切です。

一般の病棟で、「不穏」を呈するものとしては「せん妄」や「認知症」に伴う「行動・心理症状(BPSD)」などが代表的ですので、それらを中心に考えていきたいと思います。
「まずは非薬物的アプローチから!」ということがよく言われますが、それはもちろん言うまでもありません。

 

 ■物理的環境を整える

  • 昼夜のリズムをつけるような光環境
  • 暑さ、寒さ、騒音などに配慮した環境調整
  • 眼鏡や補聴器の装着/li>
  • カレンダー、時計、家族などの写真を置く
  • 物や場所をわかりやすく表示する   

 

 ■人的環境を整える

  • コミュニケーションの取り方
  • ケアの仕方
  • リハビリやアクティビティを日中にしっかりいれる
  • スタッフ教育

この他にもさまざまな工夫や環境調整があります。

でも、看護師をはじめ、コメディカルの皆さんが患者さんの「不穏」への対処で困っている状況において正直なところ非薬物的アプローチだけですぐに解決できることは私の経験的にも非常に少ない印象です。もちろん改めてアセスメントを行い、不十分な環境調整があれば再調整が必要です。

ですが、いまは「せん妄」や「BPSD」に対してもかなり理解が進んでいるので、「せん妄」を予防するような非薬物的アプローチはどの病院でも徹底されていることが多くなっているだろうと思います。施設や病院、病棟などによってできる工夫、できない工夫があると思いますが、最大限やれることはやっている状態、ということも多いです。

それでも困っているから助けを求めている事態になっているわけで、あまりきれい事も言ってられません。

 

環境調整だけでも様子を見ることができる不穏もあります。それができるかどうかの境界線は、やはり患者さん本人や周囲の人に対して身体的や精神的なリスクが生じ得るかどうかというところだと思います。転倒や転落など含めて身の回りに潜む危険をちゃんと回避できる状態かどうか、他者や自分への暴言や暴力行為がみられるかどうか、受けなければならない治療を安全に受けることができるかどうか、などといったことが判断材料になるでしょう。

この点に問題があるのであれば、速やかに薬物治療を行うことが望ましいと考えます。

 

つまり、非薬物的なアプローチは行っていることを前提として、その上で必要なときにはきちんと薬物治療を行うことが求められます。身体拘束などと同様に、薬物治療も悪者にされがちではありますが、適切にうまく使っていくことで患者さんが抱えるさまざまなリスクを最小限にすることができます。

→ 「不穏」に対するアプローチ3

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