循環器内科医が教える 高血圧8 高血圧治療薬の選び方:高血圧+骨粗鬆症・痛風・排尿障害 …
高血圧治療薬の選び方:
高血圧+その他の疾患
このシリーズでは、循環器内科医の杉村医師と、同僚の南医師の2人が協力して、
高血圧について やさしく解説していきます。
これまで合併症ごとに降圧薬が異なることをご紹介してきましたが、
今回は、脳血管疾患の慢性期の患者さんや、認知症がある患者さんに対して
降圧薬を投与する場合について学んでいきます。
高血圧+骨粗鬆症:
尿中カルシウムの再吸収作用のあるサイアザイド系利尿薬は、骨粗鬆症に有用と言われています。
また、β遮断薬・RA阻害薬も、それぞれ別の機序で骨粗鬆症に有益な影響を与える報告があります。
よってこれらの薬剤が他の薬剤よりは推奨されますが、積極的適応とまではいきません。
カルシウム拮抗薬には骨粗鬆症にプラスの効果がある、という報告は、現在のところありません。
高血圧+痛風:
ARBの1つであるロサルタンには、尿酸低下作用があるため、
痛風を持つ高血圧患者さんには推奨されます。
ACE阻害薬・カルシウム拮抗薬は、血液中の尿酸値には影響を及ぼさないと言われています。
サイアザイド系利尿薬・ループ利尿薬は、高尿酸血症を引き起こすため、控えた方がよいでしょう。
高血圧+排尿障害(前立腺肥大症・神経因性膀胱・尿路結石など):
排尿障害に対して用いられるタムスロシンなどのα1遮断薬は、降圧薬の1つです。
高血圧患者さんにα1遮断薬を導入する場合は、もともと服用している降圧薬と
相互作用による起立性低血圧を引き起こすため、注意が必要です。
高血圧+NSAIDs使用中:
代表的な解熱鎮痛剤であるNSAIDsを服用している場合、
各種降圧薬の効果が減弱してしまいます。
NSAIDs内服中で血圧コントロールが難渋する場合には、NSAIDsによる影響を考えるべきでしょう。
高血圧+消化性潰瘍:
ガスターに代表されるH2ブロッカーは、カルシウム拮抗薬・β遮断薬の作用を
増強させることが知られています。
高血圧患者さんにH2ブロッカーを処方すると、
過度な降圧を引き起こしかねないため、注意が必要です。
これまで降圧薬の正しい使い方について学んできましたが、
ここまで適切に使用されている例は少ないのが現状です。
臨床の現場で多く見るのはカルシウム拮抗薬です。
降圧薬を内服している理由を考えたり、適切な内服薬の選択ができるようになると、
患者の背景・疾患について深く理解できるようになるため、日常診療が面白くなります。
高血圧について やさしく解説していきます。
これまで合併症ごとに降圧薬が異なることをご紹介してきましたが、
今回は、脳血管疾患の慢性期の患者さんや、認知症がある患者さんに対して
降圧薬を投与する場合について学んでいきます。
高血圧+骨粗鬆症:
尿中カルシウムの再吸収作用のあるサイアザイド系利尿薬は、骨粗鬆症に有用と言われています。
また、β遮断薬・RA阻害薬も、それぞれ別の機序で骨粗鬆症に有益な影響を与える報告があります。
よってこれらの薬剤が他の薬剤よりは推奨されますが、積極的適応とまではいきません。
カルシウム拮抗薬には骨粗鬆症にプラスの効果がある、という報告は、現在のところありません。
高血圧+痛風:
ARBの1つであるロサルタンには、尿酸低下作用があるため、
痛風を持つ高血圧患者さんには推奨されます。
ACE阻害薬・カルシウム拮抗薬は、血液中の尿酸値には影響を及ぼさないと言われています。
サイアザイド系利尿薬・ループ利尿薬は、高尿酸血症を引き起こすため、控えた方がよいでしょう。
高血圧+排尿障害(前立腺肥大症・神経因性膀胱・尿路結石など):
排尿障害に対して用いられるタムスロシンなどのα1遮断薬は、降圧薬の1つです。
高血圧患者さんにα1遮断薬を導入する場合は、もともと服用している降圧薬と
相互作用による起立性低血圧を引き起こすため、注意が必要です。
高血圧+NSAIDs使用中:
代表的な解熱鎮痛剤であるNSAIDsを服用している場合、
各種降圧薬の効果が減弱してしまいます。
NSAIDs内服中で血圧コントロールが難渋する場合には、NSAIDsによる影響を考えるべきでしょう。
高血圧+消化性潰瘍:
ガスターに代表されるH2ブロッカーは、カルシウム拮抗薬・β遮断薬の作用を
増強させることが知られています。
高血圧患者さんにH2ブロッカーを処方すると、
過度な降圧を引き起こしかねないため、注意が必要です。
これまで降圧薬の正しい使い方について学んできましたが、
ここまで適切に使用されている例は少ないのが現状です。
臨床の現場で多く見るのはカルシウム拮抗薬です。
降圧薬を内服している理由を考えたり、適切な内服薬の選択ができるようになると、
患者の背景・疾患について深く理解できるようになるため、日常診療が面白くなります。
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