循環器内科医が教える 高血圧5 高血圧治療薬の選び方:高血圧+心疾患 の場合
高血圧治療薬の選び方:高血圧+心疾患
このシリーズでは、循環器内科医の杉村医師と、同僚の南医師の2人が協力して、
高血圧について やさしく解説していきます。
前回は、高血圧に加えて合併症があった場合に使用する薬剤が異なることをご紹介しました。
今回から、合併症ごとに使うべき降圧薬をご紹介していきます。
高血圧治療の選び方:高血圧+心疾患
高血圧について やさしく解説していきます。
前回は、高血圧に加えて合併症があった場合に使用する薬剤が異なることをご紹介しました。
今回から、合併症ごとに使うべき降圧薬をご紹介していきます。
高血圧治療の選び方:高血圧+心疾患
カルシウム拮抗薬 | ARB・ACE阻害薬 | 利尿薬 | β遮断薬 | |
左室肥大 | ● | ● | ||
心不全 | ● | ● | ● | |
頻脈 | ● | ● | ||
狭心症 | ● | ● | ||
心筋梗塞後 | ● | ● |
狭心症・心筋梗塞の既往・心房細動・心機能の低下した心不全(HFrEF)、
心機能の保たれた心不全(HFpEF)でそれぞれ推奨される降圧薬があります。
従って、心疾患の病態を適切に把握したうえでの薬剤選択が必要です。
1.狭心症:
積極的に使用するわけではありませんが、心臓を栄養する血管である「冠動脈」を
拡張させる作用があるアムロジピンなどのジヒドロピリン系カルシウム拮抗薬を
用いるのがよいとされているようです。
2.心筋梗塞の既往:
過去に心筋梗塞を起こした患者さんに対する死亡率を改善させるエビデンスがある
β遮断薬・ARBやACE阻害薬などのレニンアンギオテンシン系阻害薬(RA阻害薬)などを用います。
3.心房細動:
安静時の心拍数 110回/分未満を維持することが大切となるため、
降圧+心拍数低下作用のある非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬やβ遮断薬を用います。
ただし、ジルチアゼム・ベラパミルなどの非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は
心抑制作用を有しているため、HErEF(心機能の低下した心不全)を合併している
心房細動に対しては原則禁忌となります。
つまり、ジルチアゼム・ベラパミルは、まだHFrEFに至っていない心房細動の方には適応があります。
心機能の保たれた心不全(HFpEF)でそれぞれ推奨される降圧薬があります。
従って、心疾患の病態を適切に把握したうえでの薬剤選択が必要です。
1.狭心症:
積極的に使用するわけではありませんが、心臓を栄養する血管である「冠動脈」を
拡張させる作用があるアムロジピンなどのジヒドロピリン系カルシウム拮抗薬を
用いるのがよいとされているようです。
2.心筋梗塞の既往:
過去に心筋梗塞を起こした患者さんに対する死亡率を改善させるエビデンスがある
β遮断薬・ARBやACE阻害薬などのレニンアンギオテンシン系阻害薬(RA阻害薬)などを用います。
3.心房細動:
安静時の心拍数 110回/分未満を維持することが大切となるため、
降圧+心拍数低下作用のある非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬やβ遮断薬を用います。
ただし、ジルチアゼム・ベラパミルなどの非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は
心抑制作用を有しているため、HErEF(心機能の低下した心不全)を合併している
心房細動に対しては原則禁忌となります。
つまり、ジルチアゼム・ベラパミルは、まだHFrEFに至っていない心房細動の方には適応があります。
高血圧の治療薬:合併症がある場合
「高血圧 + 慢性腎不全」・「高血圧 + 糖尿病」の治療薬