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いまこそ知りたい! 高次脳機能障害 4(2021.10.14更新)

「遂行機能障害」 について

今回は、「遂行(すいこう)機能障害」についてお話しします。この遂行機能障害は、筆者が個人的に「最も”高次脳機能障害”的な 高次脳機能障害」、と言えるのではないかと考えています。本シリーズの最初(いまこそ知りたい! 高次脳機能障害1)でもご紹介した通り、高次脳機能障害とは…、

 

脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患、交通外傷後などの脳損傷によって

脳組織にダメージが加わることで、高度な脳機能に障害が生じた状態

でしたね。この脳組織のダメージは、画像で確認されるような 脳の特定の部位の損傷だけでなく、画像的には何の変化もないけれども脳のどこかが損傷している、という場合も含まれています。従って、部位によっては「記憶」が障害されたり、「注意」が障害されたり、教科書によってはその他の高次脳機能障害に含まれる症状にも様々な障害を起こしうるわけですが、そうした個々の異常ははっきりしないけれど、あることを「計画的にやりとげる(遂行する)」ことができない、といった状態になることが多いのが、この遂行機能障害の特徴です。また、前頭葉(前頭前野)の損傷で、典型的な遂行機能障害を認めることが多いといわれています。前頭葉は高度な脳機能を司っている、と言われる部分ですから、その損傷によって遂行機能障害が起こることもイメージしやすいのではないでしょうか。

 

ここで、「カレーを作る」ことを例に挙げて考えてみましょう。カレーを作るには…、

1)「あ、今夜の夕飯、カレーにしよう!」:目標の設定

2)「カレーの材料、どこで、何を買おう?」:計画の立案

3)「そろそろ買い物に出かけよう」:計画に基づいて行動する

4)「カレーのルーが売り切れ⁉ それなら クリームシチューに変更だ」:現状に合わせて調整・変更

 

結局、クリームシチューを作ることになってしまいましたが、1)~4)のそれぞれにはどんな要素が含まれているか、詳しく見てみると、

2)では、「カレーの材料として、どんな材料を買おうか」、「どこのお店なら材料が揃うか」、「お店までどのように移動するか」

3)では、「自宅をお昼過ぎに出発して、バスと徒歩で目的のお店に移動しよう」

4)では、「予想外だけど、柔軟に対応しよう」

 

…といったように、1つの作業を行うためには様々な要素が必要であることが分かります。そして、どの1つが欠けても、目標が達成できない可能性があります。「カレー(クリームシチュー)を作ることができる!」のは、こうした高度な脳機能のおかげなのです。そしてこれらの要素のどれか1つ、または幾つかができないということではないのだけど、全ての過程を上手にこなすことができない、という状態が「遂行機能障害」です。何となく、イメージできたでしょうか。

 

遂行機能障害の検査、いろいろ

FAB、WCST、BADS、など…(評価が難しいので、ここでは紹介だけ)

 

次号はこちら

→ いまこそ知りたい! 高次脳機能障害5

 

 

 

 

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